第二十二章 ラグビーワールドカップ日本南ア戦



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 2015年9月のラグビーワールドカップの日本南ア戦は、世界に衝撃を与えた。日本チームの決勝トライが決まった瞬間を、イギリスの新聞は、「その瞬間、ブライトン否世界が震えた」と表現し、一般紙も「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」「奇跡の逆転勝利」と称賛した。イギリスのスポーツショップでは、翌日の朝から、日本チーム関連のグッズを求める人で長蛇の列ができ、イギリスのラグビークラブでは入会者が増え、ある小学校では、ラグビー部が新設された。ジャイアントパブにいたあるラグビーファンは、「ここにいる人は、それぞれ母国のチームを応援しているので、最も好きなチームは異なるが、2番目に好きなチームは全員日本だ。」と語った。イギリス王室のウイリアム王子が、ラグビークラブの少年たちに「ワールドカップで応援するチームはどこ?」と尋ねると、イングランドチームが早々に敗退したこともあり、全員が「ジャパン」と答えた。


 日本南ア戦が行われたブライトンのスタジアムや屋外の特設施設、イングランド、ウェールズ、アイルランドなどのジャイアントスポーツパブの観客の熱狂ぶりはすさまじく、日本の決勝トライが決まった瞬間は、全ての人が飛び回り、跳ねまわり、腕を突き上げ、叫び声をあげた。抱き合っている人もいた。稀に冷静な人は、両手で耳を塞いでいた。自分の国が勝ってもあれほどまでに喜ばないのではないかと疑われた。この現象は、テレビを見ていた世界中の人々にも同様に生じたのだ。以下は、ネットに寄せられた感激の言葉の数々である。
 「この試合を見た後に涙をこらえるのはむつかしい。それほど美しい試合だった」(スペイン)
 「試合が終わった後も興奮が止まらない」(チリ)
 「こんな試合は記憶にない。決勝トライが決まった瞬間は狂喜乱舞していた」(イギリス)
 「これ以上の名勝負はラグビー史上になかった」(ドイツ)
 「この試合で世界中が、日本チームのファンになった」
 「スポーツファンの一人として日本チームにおめでとうと言いたい。君たちは母国にそして世界に誇りを与えた」(オーストラリア)
 「日本に対してこれ以上ないくらいの敬意を抱いたよ」(ルーマニア)
 「何回も繰り返し見ちゃってる。心の底から彼らをリスペクトしている」(オーストラリア)
 「見事な試合だった。君たちはアジア人に誇りを感じさせてくれた。日本チームに神のご加護がありますように」(スリランカ)
 「少なくとも10回は涙を流しながら最後のトライの瞬間を見ている。すごく揺さぶられるの。日本の皆さんおめでとうございます」
 「不可能が可能であることを信じたくなるね。日本に感謝する」
 「世界を代表してありがとうと言いたい。本当に本当にありがとう。そして我らが南アフリカの友よ。あなたたちはきっとここから立ち直り、次のステージに立つことが出来るだろう。しかし今夜はこの美しい勝利を祝福しようではないか」
 「トライを決めた内、何人が実際に日本人なの?」(国籍不明だが、韓国人?)
 「全員だ、彼らは全員が日本人だ」(オーストラリア)
 「たかが試合、感情的になる必要はない。人生にはもっと大切なものがある-----。暗い部屋の中で泣きながら自分に言い聞かせていた」
 「俺なんか日本チームに恋いしちゃったもん」(カナダ)
 「俺はアメリカ人だが、イーグルスは応援しない。日本を応援する」(アメリカ)
 「あの試合、あの戦士たちが忘れられることは、この先何年たってもないだろう」(ウルグアイ)
 「俺はテレビの前で絶叫しながら日本を応援していた」(イギリス)
 「よくやった日本!世界はあなたたちを誇りに思う」(ウェールズ)
 「素晴らしいワールドカップ。日本はアジアの誇り」(タイ)
 「日本に大きな敬意を抱いています。更に強くなって帰って来てください」(ケニア)
 「すべてを出し切って戦っていた。君たちを誇りに思っている」(ニュージーランド)


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