第三十五章 実際に存在した大東亜共栄圏



ホームへ  次の章へ


 イランの詩人ホセイン・タージェル・シーラージィーは、日露戦争での日本の勝利に感激し、「ミカド・ナーメ」(天皇の書)という本を書いたが、それには
   「東方から何という太陽が昇っているのであろう
   眠っていた人間は、誰もがその場から跳ね起きる
   文明の夜明けが日本から広がった時、この昇る太陽で
   全世界が明るく照らし出された」
 と記し、全有色人種が、日本の勝利で、跳ね起きて震えるような興奮を覚え、独立運動の勇気を得たことがわかる。日本人が、全世界を明るく照らし出したのだ!有色人種の文明が、日本人によって開かれたのだ。    


 当時イギリスの植民地であったエジプトの民族学者ムスタ・ファー・カーミルは、著作「昇る太陽」で「日本人は、ヨーロッパ人に身の程をわきまえさせた唯一の東洋人ではありませんか。どうして日本人を愛せずにおれましょうか。日本の歴史こそ東洋の諸国に最も有益な教訓を与えてくれるものと信じる」と記述している。中国の革命家孫文は、エジプトに滞在した際に、エジプト人から「バルチック艦隊を全滅させた日本の勝利を知った。ともに喜んでほしい」と言われ、さらに「中国は日本の近くだから、どうか日本人に伝えてくれ。我々は日本がロシアに勝ったことを我がことのように喜んでいる。我々も日本を見習って植民地主義と戦って行きたいのだ」と言われた。日本のロシアに対する勝利が、人類全体を震撼させたことがわかる。カーミルが言っているように、日本人が有色人種も”人間”であることを西洋人に初めて思い知らせ、西洋人に身の程をわきまえさせたのである。そして、未だに技術、学問の分野で白人に互角に渡り合っている有色人種は日本人のみであるので、もし、極東の島国がこの世に存在しなかったならば、有色人種は、今も西洋人の頸木(くびき)に繋がれていたことは間違いない。韓国人も中国人も西洋人にヘコヘコと媚びを売って、奴隷労働者として生きながらえていたことは間違いないのだ。


 インドの初代首相ネルーは、イギリス留学中に日露戦争が勃発したが、後年「日本の勝利は我々を熱狂させた。私は新しいニュースを見るために毎日新聞を待ち焦がれた。どんなに感激したことか。どんなにたくさんのアジアの少年少女が、そして大人が感激を体験したことか」と述べている。日本人は、有色人種にとって”神”の奇跡を起こし、福音を与えたのである。日本人は、日露戦争における日本の勝利を著しく過小評価している。それは、近代の人類史における最大の事件であり、衝撃であった。この事件によってイランの詩人が言っているように、有色人種の近代文明が開かれ、人類の歴史は大幅な変更を迫られ、人類皆平等の”神の世界”の実現に向けて動き始めたのだ!


 2015年4月にフィリッピンで開かれたアジア諸国の軍部代表会議で、韓国の代表は、かつての日本軍と日本民族を罵倒する演説を延々とぶった。その内容は痛烈無残で聞くに堪えられないものであった。これに対して日本の自衛隊の代表は何の反論もしなかったが、インドネシアの代表アリ・ムルドフ准将が、韓国の代表に向かって次のように言った。「日本は、アジアの光であり、大東亜戦争はアジア人の勇気を示したもので、チンギス・ハーンとともにアジア人の誇りだ。忽然として日本人が地球から消えたらアジアとアフリカは非常に困る。韓国は、工業大国の日本と競争したから立派な工業国になることが出来た。近くに強力な競争相手がいることは素晴らしいことだ。つまり日本の近くに位置することは幸福なのだ。経済的な援助を継続的に受けていると言ってもよいくらいだ。インドネシアが日本に近ければ、今のような貧弱なインドネシアではない。つまり我々インドネシア人は、『日本人は何もしなくてよい』と考えている。日本が欧米と肩を並べて進歩するだけで、アジアとアフリカに尽くしている」


 ムルドフ准将は、勘違いをしている。韓国は日本と競争したのではない。日本人から盗んだだけだ。もちろん、盗人行為は盗む相手が近くに位置した方がやりやすいので、ムルドフ准将が言うように、韓国が日本の近くに位置したことは幸福なことであった!ムルドフ准将は、韓国人の正体がわかっていない。韓国人は自分で考える力がない国民である。ムルドフ准将は、「日本は、アジアの光である」と言っている。即ち「日本人は、アジアの神」なのだ。彼は、日本の太平洋戦争の戦いが、人類の歴史上でも貴重な戦いであったことを正しく認識している。彼は、「大東亜戦争は、アジア人の勇気を人類全体に示した戦いで、それはチンギス・ハーンの戦いに匹敵するものである」と断言している。そして「大東亜戦争は、アジア人の誇りである」と言っているのだ。日本人は、ムルドフ准将の言葉を肝に銘じる必要がある。もし日本人が地球から忽然と消えたならば、アジアやアフリカの人々は光を失い、白人に対する劣等感に苦しみ続け、進むべき道を見出すことが出来なかったのだ。韓国人や中国人は、アジアやアフリカにとっては存在価値のない民族である。韓国人が、もしこの地球から忽然として消えたら、詐欺に遭わなくて済むようになるので、世界中の人々が大喜びし、さわやかな気持になることは間違いない!整形バケモノを見て、肝を潰さなくて済むようにもなる。


 日本は、太平洋戦争の敗戦後にドイツ、朝鮮半島同様西側と東側陣営に国土を分割される危機に直面していた。これを救ったのが、スリランカの初代大統領ジュワルナダの国連での演説である。演説の内容は、「アジア諸国民が日本は自由でなければならないと考えるのは、我々と日本との長年の関係によります。アジア諸国の中で日本だけが強力で自由であり、日本を保護者として盟友として見上げ、アジア隷従民族は、日本に対して高い尊敬の念を抱いてきました。日本が戦前に掲げたアジア共栄のスローガンが隷従民族に魅力があったこと、日本が掲げた理念に独立を望むアジアの人々が共感を覚えたことを忘れないでほしい。実際ビルマ、インド及びインドネシアが、先の大戦で日本人と同調した各国の指導者によって解放されるかもしれないという希望を思い出すがゆえに、日本は自由でなければならず、日本の回復に何らの制限も賠償も課すべきではないと考えます」という趣旨であったが、この演説が各国首脳の共鳴を得て、日本の分割が回避された。ジュワルナダの演説で、いかに日本がアジアの隷従民族の希望の星であったかがわかるし、実際に日本軍や日本政府と同調した各国の指導者が、その後の独立の原動力になったこともよくわかる。日本は、全アジア人にとってアジア解放の唯一の希望であったのであり、戦争には敗れたが、壮烈な戦争を戦い抜いて、日本人が大量の血を流したことで、アジアが解放されたのだ。韓国人や中国人は、白人に対してかつて一度も一矢も報いたことがなく、日本人のお陰をこうむっただけだ。


 1955年にインドネシアのバンドンで開かれたアジア・アフリカ会議では第二次世界大戦後に独立した国々の首脳が集まった。インドのネルー首相、インドネシアのスカルノ大統領、エジプトのナセル大統領などが出席した。その席では、日本の代表団は、各国代表からアジアの独立のために戦ったことを感謝された。マレーシアでもインドでもインドネシアでも太平洋戦争における日本軍を「解放軍」と解釈しているが、この解釈が正しいのだ!その証拠にマレーシアのマハティール元首相は、日本軍の戦いをアジア解放のための戦いと評価し、日本の政治家について「一体何回謝罪すれば気が済むのか」と呆れ返っていた。


 マハティール首相は、「日本なかりせば、世界はまったく違う様相を呈していたであろう」と述べている。マハティール曰く、「アジアの各地で、日本人は、米、英、欄、仏を徹底的に打ちのめしてくれた。我々アジア人は、白人の弱体と醜態ぶりを見て、アジア人全部が自信を持ち、独立が近いと知った」「日本人は、300年以上続いた屈辱と貧困から我々を解放してくれた」「日本は敗れたとはいえ、日本軍政の最大の特徴の一つは、各国の青年を教育し、組織し、独立精神を振起した点にある。日本軍が引き上げた時、アジアに残ったのは、日本の精神、技術的遺産であった」「日本人は、目標達成(独立)のためには、どれほど必死にやらねばならないかを我々に教え、この日本人の必死の訓練が、後の独立戦争に役立ったのだ」


 マハティールは、更に日本なかりせば「アジア諸国は、欧米人から技術移転を拒まれ、石油、天然ガス、鉱石、綿花、カカオ、天然ゴムなどの資源供給国として永遠に北側西洋諸国に搾取され続けていた」と述べている。そして、「天然資源や農産物の買い手は北側先進国しかないので、買い入れ価格は安く抑えられ、逆に高い工業製品を買わされ、アジア人は極度の貧困状態に据え置かれていた」「日本経済が、戦後急成長して、アジア諸国に工場を大量に建設して技術移転をおこなったので、欧米諸国も日本に対抗するために、アジア諸国に技術移転をせざるを得なくなったのだ」と断言している。彼によると、日本人が欧米諸国と戦っていなければ、アジア人は、中国を含めて永遠に被搾取の奴隷状態に置かれていたのである。マハティールは、「西洋人とまともに戦ったのは、日本人だけだ」と言っている。彼によると大東亜戦争は、有色人種にとって「聖なる遺産」である。即ち有色人種にとって日本人は、神であったのだ。


 ミャンマーでは、現在も「インパールの歌」が歌われている。日本軍がイギリスからミャンマーを解放するためにインパールに侵攻し、多くの死者をだしたことを悼む歌である。インパールを経由してインドに侵攻する作戦は、戦線が拡大し過ぎるために補給路の確保が難しいとして、日本陸軍の参謀本部内にも反対するものがいたが、太平洋戦争が、もともとアジア人の白人からの解放が目的で始めた戦争であったために、チャンドラ・ポーズなどのインド人の強い要請を受けて、日本陸軍がインド侵攻を決意したのだ。


 日本は、太平洋戦争でマレーシア、ミャンマー、ベトナム、シンガポール、インドネシア、フィリッピン、インドなどの東南アジアの国々を攻めたが、タイだけは攻めていない。理由は簡単で、タイは当時奇跡的に西洋列強の侵略を受けておらず、江戸時代中期から現代まで続いているチャクリー王朝が支配していたからだ。太平洋戦争は、アジア人の西洋人からの解放の戦いであったので、タイは攻める必要がなかったのだ!もし植民地獲得による搾取が、太平洋戦争の目的であったならば、日本軍はタイを占領し、日本人がタイ人を搾取していた。日本軍が、タイを素通りしてミャンマー、インドに向かったことで、日本人が戦前に掲げた大東亜共栄圏が、真にアジアの人々のためのものであったことがわかるのだ。


次の章へ




inserted by FC2 system